みなさんこんにちは
前回の宅コス記事「照明を変えて宅コスをレベルアップしよう!」はスマホでも撮影できるよう簡易照明のご紹介でしたが、今回はレイヤーさんで一眼レフカメラを持っている方向けにカメラマン目線のストロボライティングをご紹介します。
今回の写真は全て6畳の自室で撮影しましたので、最低限の機材さえあれば大抵の方がカメラ設定を真似するだけで簡単に再現できると思います。
コロナの影響で撮影が出来ないレイヤーさんは、この機会にぜひ宅コス撮影にチャレンジしてみて下さいね!
※初心者向けの為、しっかり目の説明をしています。ある程度知識のある方は目次からライティング別の項目へどうぞ!
宅コスに必要な機材
まずは最低限必要な機材についてお話します。
先にお伝えしておきますが、高級な機材は全然必須ではありません。今持っているカメラ機材でも十分キレイに撮影できるのでご安心くださいね。
※三脚は必須なので割愛します。
一眼レフカメラ・レンズ
一眼レフカメラについてはストロボが使えれば何でも良いです。一応スマホアプリでシャッターが切れる機種だと宅コスが捗ります。
メーカーで言えばNikon=D3500、Cannon=EOS Kiss X9あたりは新品でも6万円前後で標準・望遠レンズが付くためコスパが良い。
レンズも同様に高価なレンズは不要で、カメラに付いてきた標準ズームレンズ(焦点距離が24mm~80mmの物)が1本あれば十分です。
宅コスは狭い室内で撮影するため、全身の撮影で広角側が30mm前後(APS-C20mm)、バストアップでも60mm(APS-C40mm)くらいしか使いませんので広角側さえ最低限あれば撮影可能です。
また、一人でライティングや撮影をする関係で単焦点レンズではポージングを変更する度にカメラを移動する必要がありますが、ズームレンズならば効率よく作業できるのも標準ズームをおすすめする理由。
※今回撮影したレンズは全てNIKKOR 24-120mmで撮影しています。引きからアップまで撮れるので、コスプレ撮影では本当に役に立ちます。
ストロボ、ライティング機材
ストロボ、ライティング機材は既に手持ちの物があれば別に買い足す必要はありません。
一応今回使ったor最低限あった方がいい機材は…
- ストロボ=1~3台
- フラッシュトリガー=ストロボを無線化するのに必要
- アンブレラ=最低でも1本
- ソフトボックス=1~2個。グリッド付なら背景を処理できる。
- ライトスタンド=1~2本。
レイヤーさんでカメラを持っている方は、ストロボやアンブレラなら1セットはあると思いますので、これから紹介するライティングで必要な物があった時だけ追加購入を検討する程度の気持ちでOKです。
ですが、レイヤーさん兼カメラの方はストロボを本体に付ける「クリップオン」の方が多い印象ですので、可能であれば今回を機にストロボの無線化に挑戦しましょう。
ストロボ1灯でも基本は無線にして使うため、覚えておいて損はありません。
↓過去の記事でストロボ無線化をまとめています↓
せっかくなので、ぜひ無線での多灯ライティングを覚えてみましょう。
カメラとストロボの設定をしよう!
機材の準備が整ったら、次はカメラの撮影設定を確認しましょう。
ストロボライティングは非常に奥が深く、一朝一夕ではマスターできませんが、基本さえ押さえておけばある程度は誰でもキレイに撮影する事が可能です。
撮影モードはマニュアルで!
レイヤーさんでカメラにあまり詳しくない方は、恐らくAモードやPモード、絞り優先モードなどの「オートモード」で撮影していると思います。
確かに明るいスタジオ内や、自然光ではオートモードの方が手軽にキレイな撮影ができますが、ストロボライティングだけは別です。
オートモードでストロボを使うと、撮影する度にカメラがシャッター速度や絞りを変えてしまうだけでなく、ストロボの光源を無視(TTLは別)しているため写真の明るさが毎回変わってしまいます。
そのため、ストロボライティングをする際はカメラ側をマニュアル設定で数値を固定し、ストロボ側の明るさをメインにコントロールして写真の明るさを調整します。
カメラの設定は基本これでOK!
カメラの撮影モードを「マニュアル」に設定したら、カメラの説明書を見ながら以下の数値で固定しましょう。
- 絞り値=F5.6(ボカしたい時はF1.8でも可)
- シャッター速度=1/100
- ISO感度=100(200でも◎)
この設定にしたら室内を試しに撮影してみて下さい。
どうでしょうか?日中の明るい室内でもない限り、かなり暗い写りになったと思います。この暗い状態がストロボライティングのスタート地点。
ここからストロボを使って明るさを調整するイメージです。これならストロボ光が2~3灯と増えた際、写真にどんな影響があるかがすぐに分かりますね。
基本はこの設定で、ストロボのパワーが足りない時や、背景まで明るくしたい時にISO感度だけを上昇させれば撮影中の「カメラ設定パニック」に陥らずに済みます。
それでは機材とカメラの設定が確認出来たところでレベル別に宅コスライティングをご紹介します。
※前回に引き続き、自宅おじさんが表示されます!閲覧注意です!
※今回撮影した写真は全て無加工の撮って出しです。
宅コスライティング:クリップオンの1灯ライティング
まずはストロボが1台かつ、フラッシュトリガー(無線にする機械)が無い方向けの1灯ライティングです。
カメラにあまり詳しくない人は、このようにストロボを被写体に向けて直射しがちです。別に悪くはありませんが、いかにも「ストロボはじめました!」みたいな感じがしますね。
1灯だけでのライティングではかなり制限があるため仕方ありませんが、やはり少しでもいい感じに撮りたいですよね。
そこで、最も手軽な「バウンス撮影」にチャレンジしましょう。
ストロボ1灯ならバウンス撮影をしよう!
バウンス撮影とはカメラに付けたストロボのヘッド(光る部分)を、天井や壁に向けて撮影する方法で、天井に向けるのを「天バン」壁に向けるのを「壁バン」と呼びます。
まずは最も簡単な天バンで撮影してみましょう。
天井に向けてバウンス撮影しました。明るさは問題ありませんが、何かおかしなことに気づきませんか?
…
……
そうです!色味がオレンジ色に近い色になっています!!!
なぜこうなったかと言うと、天井の材質が木材で出来ているため。
つまり、天井バウンス撮影は天井の材質や色に強い影響を受けてしまうんですね。
宅コスで思い通りの白色が出ない人はここで躓いている人も多いのではないでしょうか?さて、これを防ぐにはどうしたらいいか?
答えは簡単!アンブレラをカメラの真上に開いて、被写体(自分)より高い位置にセットすればOKです。これで撮影をすれば…
はいこの通り!
ライティングはこんな感じです。
同じ設定なのに見違える程キレイに撮影出来ましたね。色もアンブレラに反射させたのでキレイな白色になった上、ストロボも同じパワーで一段明るくなっています。
また、少しだけですがアンブレラの光で目にハイライトが出来ていますね。
そしてこれを応用して、壁バウンスにも挑戦しましょう。
先ほどと同じ要領で、今度はストロボのヘッドを左右に向けて、その先にアンブレラを被写体に向けて開きましょう。
これで撮影すれば…
かなり自然なサイド光をカメラにストロボを付けた状態で再現できました!
ライティングはこんな感じ。
これならストロボ1灯で無線化ができなくても、最低限の宅コス撮影が楽しめるのではないでしょうか?自宅に白壁が無い方もアンブレラ1本あればOKです。
また、アンブレラの方が反射効率が良いのは間違いありませんが、持っていない方はシーツやカーテン、コピー用紙などの白い物なら代用可能なので色々試してみてくださいね。(面積は大きければ大きいほど良いが、その分パワーは必要)
↑アンブレラとアンブレラホルダーは便利なので持っておくと◎
クリップオン(カメラにストロボを付けた状態)で出来るライティングはこのくらいしかありませんので、ここからは無線化した状態のライティングをご紹介します。
朝の爽やかな日差しや木漏れ日を1灯で再現
まずはこの写真を見てください。
めちゃくちゃ爽やかな写真じゃないですか?まるで目覚めてからカーテンを開けた時のような木漏れ日からの明るい日差しのよう。
実はこの写真は…
右側にストロボ(直射)を設置して、その光を遮るように100均で買った草?のパネル?を通して強めのストロボで撮っただけです笑
ライティングはたったのこれだけ。
他にも観葉植物や造花、葉っぱのガーランド、ステンドグラスなどの光を通す模様があるものなら大体上手く行きます。
非常に手軽で、私も良く使うテクニックなので変わった写真を撮りたい方におススメです。(撮影は夜の21:00頃、部屋は真っ暗で撮りました)
背景をソフトボックスで真っ暗に!
つぎは宅コスにも需要がありそうな「背景を真っ黒」にした写真です。
これは背景を黒い布にして、ソフトボックスにグリッドと言う仕切りを付けたストロボを真横において撮影すれば簡単に再現できます。
↑グリッドとは、格子状の仕切りをソフトボックスに付ける事で光が拡散する事を抑え、狙った所だけに光を当てるストロボ用の機材。ソフトボックスとセットで5000円くらい
アンブレラとの違いはイメージにするとこんな感じ↓
光を広げるアンブレラとは逆の性質で、ソフトボックスとグリッドは光の広がりを大きく制限します。そのため、背景に光が当たらない状態になります。
つまり、最初に設定したカメラの状態ではストロボが当たらない=背景が真っ暗になる。という事ですね。
ですが、いくら光を制限すると言ってもストロボ自体がかなり強力な光ですので、どうしても背景に光が行ってしまいます。そのため、背景を黒布にする事で更に反射を防ぐと被写体だけを写すことができます。
ストロボがもう1灯あれば、反対側にもおいて2灯ライティングもカッコいいですね。
こんな感じ。かなり立体的になりました。
ライティングはこんな感じです。
左側はストロボ(1/32パワー)を直射したので、背景の黒布がやや見えますが現像時に少し調整すれば余裕で黒潰し出来ます。
コスプレ撮影と言えばカラーフィルター!!
やはりコスプレ撮影と言えば、カラーフィルターを使ったハデハデな写真じゃないでしょうか?
ライティングはこれだけでOK。
無線化したストロボが2台必要ですが、仕組みは非常に簡単で見栄えがいいのでかなりおススメ。
↑価格も非常に安く、1,000円も出せば多色セットで手に入れる事が出来ます。
撮影方法は簡単で、メインライト(アンブレラorソフトボックス)1~2灯を被写体に向けて、カラーフィルターを着けたストロボを床やテーブルの上に置いて被写体の後方から背景に向けて撮影するだけ。
今回の写真は、背景との距離が30㎝程度しかなかった為、右側面に床置きしましたが肩赤色が乗って逆にいい感じじゃないでしょうか?
ちなみに大半のコスプレカメラマンがカラーフィルターを持っていますが、撮影時に忘れる事がめちゃくちゃ多いので、レイヤーさんが個別で持っていてくれると非常に助かります。
ゲート・オブ・バビロン?!
宅コス…というには広大な場所(庭・公園)が必要ですが、ライティングの知識が増えれば合成なしでゲート・オブ・バビロンを顕現させる事も出来ます。
こちらは非常に複雑なため、再現するには知識と機材が必要ですが、一度はチャレンジして欲しい撮影テクニックです。
以前、こちらの記事で紹介しました。
ここまでやる?!ライトブラスターで背景を作る!
ここまでやる必要があるかは分かりませんが、合成をせずに背景をストロボで自由に写す事が出来る「ライトブラスター」と言う機材もあります。
この写真のように炎を背景に写したり…
召喚された感じの背景を、合成なし・1回のシャッターで写す事が出来ます。
撮影にはある程度大きな部屋(最低でも長辺5mは必要)、明るい広角レンズ、強力なストロボ、カメラ知識が必要とかなりハードルが高いですが宅コスでは考えられない背景での撮影が可能になります。
ライトブラスターに関してはコチラの記事で詳しく紹介していますので、時間と金銭的に余裕がある方はじっくり読んでみて下さい。
(記事のボリュームがあるのでブックマーク推奨です)
今回使った機材
まとめ:宅コスでも本格的な撮影は出来る!
いかがでしたか?6畳の部屋でもライティングや背景を工夫すれば宅コスの撮影もハイクオリティで出来ますね!
部屋が散らかっていたので、バストアップをメインに紹介しましたが、広角側(30mm前後)でカメラを縦位置にすれば全身撮影することも出来ます。
また、撮影に慣れてくればF値を開放してボケ感のある写真を撮ったり、小道具を使った撮影などレイヤーさんならではの写真が撮れるのではないでしょうか。
他にも本格的なライティングがありますが、これ以上書くと他カメラマンから「俺の出番が無くなるじゃないか!」とクレームが来そうなので、この辺にしておきます笑
次回もよろしくお願いします!
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