みなさんこんにちは
ドラッグストアのかわいい店員さんが、お釣りを渡す時にギュッと手を握ってくるタイプでしょっちゅう足を運んでしまう茨城のカメラマン仲居です。
今回は知り合いや親族に「カメラやってるんでしょ?結婚式の撮影してもらえる?(タダか友達価格で)」とお願いされ、断り切れなかったカメラマンに読んでもらいたい事を書きます。
※Twitterアプリから閲覧すると、画像が正常に表示できない事があるようです。
お手数ですが、その際はリンクをコピーしてchromeやsafariなどで閲覧お願いします。
知り合いの結婚式撮影を断るべき3つの理由
マジで断るべきです。お互いのためにも。
まずは「せっかく声をかけてくれたんだし…」「ブライダル撮影に興味があったから…」などと甘い考えは捨ててください。
その理由は以下の通り
1:ブライダル撮影は失敗しない「写真の総合力」が不可欠
絞りオートの設定で何とかなるでしょ?なんて考えで結婚式の撮影をすれば大惨事になること間違いなしです。
結婚式場の中は、常に同じ明るさの場所はありません。しかも新郎新婦入場、指輪交換、誓いのキス、セレモニー、お色直しの再登場などなど目まぐるしく変化します。
しかもカメラマンの移動も制限されることがほとんどで、状況に合わせてレンズ交換もしなければなりません。
(高倍率ズーム1本だと暗いシーンの多い結婚式ではF値が足らなすぎる)
比較的明るさの安定したシーンでは絞りオートで構いませんが、ブーケトスやキスシーンはカメラの設定をマニュアルなどに変えて確実にシャッターチャンスを抑えなければならず、失敗は許されないのです。
指輪交換や誓いのキスがギリギリ撮れませんでした(笑)はありえないですよね。
結婚式の撮影は常に臨機応変にカメラを使いこなす必要があるため、「写真の総合力」として十分なテクニックが必要不可欠なのです。
2:とにかくクソ忙しい!
結婚式の撮影はとにかくクソ忙しい(一人汗だくになるほど)です。
友人代表や家族のスピーチ、セレモニーの出し物、運ばれてくる食事、ウェルカムボード、お色直し、親族の涙など結婚式は全てが「イベント」でありシャッターチャンス。
カメラマンは休んでいるヒマなどありません。
さらに、知り合いから結婚式の撮影を頼まれた場合、式場には「友人の一人」として招かれて席も用意されるハズです。
それはつまり「料理が用意されている」と言う事。
やった!タダでご飯食べれる!などと馬鹿な考えはいけません。ブライダルカメラマンである以上は撮影がメイン。ゆっくり食べていられません。
しかし!!なんという事でしょうか!料理は食べないとお皿が下げられません。撮影の合間に席に戻れば、回転ずしがレーンの角で事故ったのかな?くらい料理が溜まっています。
カメラマンはまるで大食い大会のように、料理を流し込むように食べる必要があります。周りから白い目で見られながら。
あ、料理を食べる頃にはバッテリーが50%以下だと思うので予備の充電や交換も忘れずに。
3:式場カメラマンは敵!?
ちょっとオーバーな言い方ですが、結婚式にはプランの一環としてエンドムービーや集合写真などオフィシャルな物があるので、ほとんどの場合、式場のカメラマンが居ます。
彼らはもちろん仕事なので仕方ない事ですが、常に良ポジションを全力で取りに来ます。
しかし、こちらも頼まれた以上は良い写真を撮らねばなりません。
そうなるとまるで「サッカーのゴール前」のようなポジション争いがカメラマン同士で発生します。お互いニコニコしながら、体を激しくぶつけあう事になるでしょう。
また、式場カメラマンはストロボをガンガン炊く(もちろん失敗しないように)ので、絞りオートだけで撮っていればコチラの写真は白トビして捨てカットを量産するハメになります。
だからと言って遠慮してしまえば、「普通の客が撮った写真より画質が良い、普通の写真」と言う恐ろしい結果を招くことになるため、表面はニコニコしながら熾烈な争いをする必要があります。
以上のような事を、「タダ」もしくは「友達価格」で本当にやりますか?できればお互いのために全力で断って欲しいです。
それでも結婚式の撮影を引き受けてしまった場合
出来る事なら引き受けて欲しくありませんが、やむを得ず引き受けてしまった場合の「できるだけ何とかなる」方法をお伝えします。
再確認ですが、ほんとにやります?今からでも断れませんか?
結婚式の撮影に必要な機材
ここからは自分と相手の為にも覚悟を決めて読んで下さい。
以下の機材を持ってない場合は、思い切って買う・知り合いから借りる・レンタルすることも視野に入れてください。
結婚式に必要なレンズ
まずはレンズです。間違っても「キットレンズと単焦点あればいいかな?」なんて思わないでください、100%失敗します。
レンズその1:F2.8通しの望遠ズーム(70~300mmくらい)
ハッキリ言って必須です。何とかして用意してください。
(もし明日にでも撮影なら、今すぐ買いに行って!)
主な使用シーンとしては、新婦&父親の入場、母親のベール上げ、指輪交換の手元や顔のアップ、誓いのキス、スピーチ、新郎新婦や家族の涙…
つまりほとんどのシーンで必要不可欠です!これがアップで撮れないなら一般の友人として参加した方がいいです。
F4通しでも構いませんが、写真の画質とトレードオフです。
レンズその2:F2.8通しの標準ズーム
これは必須です。
主な使用シーンは新婦のドレス(後ろの長いやつ)を縦構図で全身、新郎新婦の和やかな様子、友達や親族のテーブル(人物含む)撮影、ウェルカムボード、式場の様子、催し物、食事など…
つまり望遠で撮れない所は全部です!
これもF4通しがあれば、それで構いませんがボケ感は望遠よりもかなり弱く感じます。
レンズその3:広角レンズと明るい単焦点レンズ
いや、もう全部じゃん!
いやはや、その通りです。全部必要なのが結婚式の撮影です。
主な使用シーンは
広角レンズ:ブーケトス、ライスシャワー(望遠でも良い)、風船を飛ばした所など
単焦点レンズ:コース料理、雰囲気のある写真
標準と望遠でいいじゃん!と思うかも知れませんが、意外にも新郎新婦が求めているのはこういった「いい感じ」の写真で、人物意外が写っている写真はアルバム作成や組み写真で「スキマ写真」として喜ばれます。
結婚式に必要なカメラ
レンズの段階でかなりハードルが高い事が伝わったでしょうか?次はカメラです。
最低でも2台体制
ところで…なんかアレ?ってなった部分がありましたね。
そうです、新郎新婦が入場~キスシーンまで、標準レンズと望遠レンズの使うシーンが重なっています。
シャッターチャンスはいづれも一度きり。やり直しは出来ません。
つまり、悠長にレンズ交換などしてる暇はないので、標準レンズ専用カメラ。望遠レンズ専用カメラの2台体制を用意する必要があります。
知り合いに借りても良いので、マジで何とか用意すべきです。
と言うか1台で故障したら、その時点で撮影と友人関係は即終了。
そして結婚式に出席している全員に「使えないカメラマン」認定をいただけます。ありがとうございます。
カメラは使い慣れている機種×2
出来れば高感度耐性(なるべく新しい機種)が高いカメラがベストです。
奮発して新しいカメラを買う必要はありません。
むしろ、当日になって「記録モードが変えられない」とか「途中でうっかりSDをフォーマット」なんて事故を起こすより、ちょっと古くても使いなれているカメラの方が安心です。
ストロボ
忘れずに持っていきましょう。
特に結婚式終盤では暗いシーンの連続なので、無いと困る場面が必ず出てきます。
しかし、シャッターチャンスを逃したくないあまり、ストロボを連発しまくると結婚式の雰囲気が台無しです。(記者会見みたいになるし、カメラマンウザくない?ってなります。)
また、ストロボ直射は生々しくなってしまうので、出来るだけディフューザーを装着しましょう。壁や天井が近い場合はバウンスさせるなど工夫も忘れずに。
自然光がたっぷり入る式場や、やさしい明りの雰囲気がある式場の場合、ストロボを使わない方がステキな写真になる場面もあるので使いどころを見極めましょう。
その他必要な機材
他にも三脚や充電器、予備のバッテリーパック、予備のSDカード、ストロボの電池、レンズクリーナーなど結婚式の撮影は万全を期して挑みます。
当日に忘れ物をしても、買いに行く余裕などありませんので注意してください。
結婚式のカメラの設定
次はカメラの設定です。とりあえずコレだけ覚えておけば大失敗はしないと思います。
最重要!ISO感度は100~6400のオートに設定
結婚式の撮影はとにかく失敗しない事です。
そのため、最高画質で撮る事は諦めてください。「絶対ISO100固定でしょ!」なんて人は相当な実力がない限り真っ暗な写真の現像地獄を味わうことになります。(いつ写真貰えるの?と催促される)
ISO感度は「ISO AUTO」の設定で100~6400に指定して、カメラ任せにするのが安心です。
この時、ISO AUTO(低速限界)の最低シャッター速度を100~160程度に設定すると、シャッター速度は100以下にならずブレブレ写真を防ぐことが出来るので、カメラの説明書を見ながら設定してください。
※高級機はISO3200で十分かも知れません、その辺は自分とカメラの感覚でどうぞ。
撮影モードは基本「絞りオート」でOK
カメラの設定は、基本絞りオートのF値開放(F2.8)で問題ありません。
ISO感度をオートでカメラに任せているため、かなり暗いシーン以外では絞りオートでもシャッター速度が100~500の間になっていると思います。
この速度帯であれば、よほど早い動き以外はブレずに撮影できます。
動きのあるシーンではマニュアルモードに
結婚式の内容によりますが、一部では完全にマニュアルを使うシーンも出てきます。
特にブーケトス、ライスシャワーは結婚式の後半と言う事もあり、テンション高めで動きが早いです。
晴天時の屋外であれば十分な明るさがあり、絞りオートでも構いませんが、曇天時などはある程度マニュアルでカバーする必要があります。
状況に応じてかなり対応が変わるので、とにかく「ブレブレ」「ボケボケ」にならない事を最優先にしましょう。
※ライスシャワーとブーケトスは多少ブレた方が動きを感じる場合もあります。
画質モードはRAW+Jpegモード
失敗しない事が大前提の結婚式撮影では、カメラの画質モードはRAW+Jpegが安心です。
いや、RAW現像したことないです。
と言う方はコレを気に覚えておいた方がいいと思います。これからのカメラライフもより楽しめますよ。
とにかくRAWモードで撮った写真ならば、完全に暗い写真でも現像で何とかなることは多々あります。
RAW+Jpegで撮影しておけば、適正な写真はJpegでそのまま撮って出し。暗い写真はRAW現像で明るさを調整して渡せば、効率良く作業することが出来ます。
断るれるなら今からでも断ろう!
私も兄弟やよほどの親友でもない限り断ります。
しかもタダでは絶対にやるべきではありません。絶対にやり遂げる覚悟を決める意味でもキッチリ請求しましょう。
ご祝儀の平均約3万円をこちらが出すとして、最低でも8~10万円以上の仕事量だと思います。
それ以下かタダなら「一眼レフじゃなくてデジカメだけどいい?」と多少嫌われても断った方がいいです。本当に。
結婚式の撮影は、それほどカメラマンの総合力・テクニック・機材を要する難しい撮影だと言えます。
結婚式が上手く撮影できたら大きな自信になる
さんざん脅かしてすみません笑
実際、一生に一度の結婚式の撮影を頼まれて大失敗…したらカメラが嫌いになるかも知れません。
しかし、逆に上手く撮影出来れば「結婚式の撮影が出来る=カメラマンの総合力は高い!」と大きな自信にも繋がります。
ブライダルカメラマンでもない限り頻繁に巡ってくるチャンスではないので、絶対成功させてステップアップしたい!と思う方や、式場カメラマンよりキレイに撮ってやる!という方はチャレンジもありだと思います。(あくまで自己責任で!)
いかがでしたでしょうか?
断るのも、覚悟を決めて準備するのも、とにかく早い方がいいですよ!
次回もよろしくお願いします!
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