みなさんこんにちは
最近このブログの月間PVが安定して1万アクセス以上になってくれて嬉しい茨城のカメラマン仲居です。
今回はスマホやコスプレ、そしてアニメで大人気の「Fate」シリーズに登場する【英雄王ギルガメッシュ】が使う印象的かつゴージャス極まりない法具【ゲートオブバビロン】を
Photoshopや加工アプリを使わず、たった1回のシャッターで再現するコスプレライティング方法をお話します。
え?!それはさすがにデマでしょ笑
そんなことはありません!一眼レフや写真の性質を正しく理解すれば、まるで魔法…いや!法具発動さえも可能なのが写真の奥深さなのです!
ゲートオブバビロンを撮影するのに必要な物
まずゲートオブバビロンを無加工で1発撮りする為に、最低限必要な物を確認しておきます。
- ストロボ=2~3台(最低2台、1台は無線必須)
- レリーズケーブル=1本
- 一眼レフカメラ=BULB撮影機能・後幕シンクロが可能な機種
以上!
コスカメをやっている方はほとんど持っていると思います!簡単ですね!
「BULB撮影」と「後幕シンクロ」は聞きなれないかも知れませんが、最近の一眼レフには標準搭載されている事がほとんどです。
ご自身のカメラを確認してみてくださいね!
あとは撮影クオリティを上げるために、ソフトボックスやアンブレラがあるとよりカッコいいライティングの写真が撮れると思います。
↑ストロボは無線化されている事が大前提になるので、出来ない方はこちらの記事を参考に機材を揃える事も検討してみて下さい。
撮影方法は少しややこしくなるので、まずはゲートオブバビロンから作っていきます。
ゲートオブバビロンを作る!!!
ゲートオブバビロンを作る前にオードブルを注文します…
ウソだけどウソじゃないです!!!!!!
オードブルの容器を良く見てください…!丸さ…そして大きさがあの法具にそっくりじゃありませんか?
↑そう!まさしくメソポタミアの英知を結集したゲートオブバビロンそのもの!!
と、言うワケで納得できないと思いますが、オードブルの容器を使ってゲートオブバビロンを作成していきましょう。
オードブルの容器を手に入れる
別にオードブルを注文しなくても、近くのホームセンターに容器だけが売っていました笑
大きさは約40㎝で2セット入り700円程度とお買い得です。
↑Amazonでも売ってましたが1,200円と割高…。近くにホームセンターがある方はそっちの方が安いかも
↑iPhoneXと比較。大体4~5人前くらいでしょうか。
ちなみにオードブルの容器を選んだのには、それなりの理由があります。
- 完全な円形
- 底面が光を通さない(超重要)
- 蓋面は光を通す(超重要)
- 薄いプラスチックで加工が用意
- 非常に軽い
理由は後から説明しますが、思わず英雄王の聖遺物では?と疑わずにはいられないほどマッチしていました。
オードブルの容器にストロボを差し込む
まずはオードブルの容器を聖遺物とするため、ストロボ用の穴をカッターで作ります。
おおまかな位置を合わせたらマジックなどで線を引きましょう。
カッターで簡単に加工できるのがステキです。
↑ざっくりカッターで切り抜きました。(ケガには気を付けてください)
右下が割れちゃったのはご愛敬…!
↑開けた穴の裏側からストロボを突っ込みました。
容器が銀色で塗装されているため、光が裏側に抜けず正面に集中して〇
オードブルの容器側はこれで大体完成です!超簡単ですね!
オードブルの蓋に紙を貼る
オードブルの蓋に光を和らげる薄い紙を貼りつけたいので、蓋で型を取ります。
ちなみに今回は光を通す大きな紙が無かったので、障子用の紙にしました。
これもざっくり型を取り、気持ち小さめにハサミで切り抜き。
↑切り抜いた所。ぜんぜん適当で大丈夫です笑
↑切り抜いた紙をノリでこれまた適当に貼りつけます。
なんと!これでゲートオブバビロンがほぼ完成しました!!!!!
ウソじゃないよ!!!!
この蓋とストロボを差した容器を組み合わせると…?
↑パッと見はオードブルの容器です笑
↑裏側からストロボを突っ込んだところ
カンの良い人はもうお気づきだと思います!そうです!お手製の雑な円形ソフトボックスが出来上がりです!(ここからはオードブルの容器=ゲートオブバビロンと呼称します)
普通の丸形ソフトボックスでいいじゃん…と思いましたが、アンブレラ同様にキレイな円形が無かったのでこちらにしました。
※ちなみにアンブレラだとライトスタンドが写りこんでしまい、加工・修正が大変になってしまう。
ゲートオブバビロンを試し撮り!
ドヤァ…
これは無加工でシャッター1回しか切ってないんですよ…
もう完全にゲートオブバビロン…!すごくないですか…
コレでコスプレ撮影のライティングはカンペキ…
と言いたい所ですが、中心の明るさと外円の間が空白すぎる気がしますね。
もう少しゲートオブバビロンに改良を加えましょう。
ゲートオブバビロンの底側にアルミホイルを貼ろう
ゲートオブバビロンの底側はもともと銀色だったので、ソフトボックス替わりになるだろう…と思ってました。
しかし中心と外円しか明るくなっていなかったので、アルミホイルを全面に貼りつけてゲートオブバビロン全体をまんべんなく光らせたいと思います。
↑3分くらいで完成。適当に両面テープで貼れば大丈夫です笑
あ、書き忘れてましたが真ん中のストロボには黄色のフィルターを着けています。
ストロボ用のカラーフィルターでも、100均で買える透明のフィルム折り紙なんかでもOK。(カラーフィルターはコスプレ撮影以外でも良く使うので、1セット持っておくと役に立ちます。)
さっそく再チャレンジしましょう。
…
……
………
うむ。
かなりいい感じになったんじゃないでしょうか!
雑に作ったのでレンズに対して角度が付くと粗が出ますが、キッチリ正面になっているとオードブルの容器とは思えませんね!
ちなみにゲートオブバビロンをレンズに向けて、シャッターが切れるまでストロボのテスト発光ボタンを押しまくっただけです。
ここから本番!ゲートオブバビロンのカメラ設定!
一見何をしてるか分からないと思いますが、実はカメラの設定自体はそんなに特殊な物ではありません。
- 撮影モード=マニュアル
- シャッター速度=BULB撮影もしくは20~30秒
- F値=16~22
- ISO感度=100以下
つまりF値を絞りまくって「ストロボ並みに明るい光源以外は写真に写らない」ようにします。
そして長いシャッター時間を利用して、ゲートオブバビロンのストロボをどんどん取り込んでいくワケですね。
ですが、コレだけだと最終的な目的である「王」自身を写すことが出来ないので、別のストロボを用意してシャッター幕と同時にストロボを光らせる「後幕シンクロ」を設定します。
カメラを「後幕シンクロ」に設定する
後幕シンクロについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
基本的な撮影方法は同じなので、この記事で理解を深めていただけると助かります!
なぜ後幕シンクロが必要になるかと言うと
ストロボの発光タイミングは通常、シャッターを押した(開いた)瞬間に光るのが普通ですが、今回のような「ストロボ光をたくさん取り込んだ後」にシャッターを切る撮影の場合
あとから光を追加すればするほど「被写体が透明になる」と言った現象が発生します。
それを防ぐためには、シャッターが降りた(閉じた)瞬間にストロボを発光させて「メインの被写体を最後にストロボで写す」と言う作業が必要になります。
それが【後幕シンクロ】です。
後幕シンクロはカメラの機種によって機能が無かったり、クリップオンストロボでは出来ない機種などありますので、説明書など参考に設定をお願いします。
後幕シンクロとBULB撮影の設定が完了したら、実際にゲートオブバビロンを撮影しましょう!
ゲートオブバビロンの撮り方!
↑①BULB撮影モード(もしくは20~30秒)で被写体と構図を決めたらシャッターを押しっぱなしにする。
この時、王には止まっててもらう。
↑②ゲートオブバビロンに付けたストロボの「テストボタン」でレンズに向けてストロボ発光させまくる!
なるべく真正面に向けて素早く、たくさん写すようにする。
↑③レリーズケーブルのシャッターを離すと同時(もしくは20~30秒後)に後幕シンクロでストロボが発光して王が最後に写る!
(なんてカンペキで分かりやすい図なんだ…っ!!!天才かっ…!!)
↑④ゲートオブバビロン完成!ところどころナナメになっていますが、1回のシャッターで無加工の写真とは思えないクオリティですね!
私が透明になっているのは、一人で全部こなしたから。シャッターが空いているため被写体が居ない場所が先に写っています。
(アンブレラ部分が透明でないのは、先に設置しているため。そして恥ずかしいので後ろ向きです…!)
被写体が動かなければ、透明にはなりませんので安心してください!
撮影ポイント①:ストロボは2グループに分ける
少し複雑な撮影になるので、ストロボライティングに関しては次のようなイメージがおすすめです。
グループA=ゲートオブバビロンのストロボ。カメラとはリンクさせず、テストボタンを押す度に発光。(後ろ幕シンクロで光らないようスタンドアローンにする)
グループB=カメラの後幕シンクロとリンクしたストロボ。シャッターの最後に被写体を照らすメインライト。余裕があれば2~3灯でクオリティアップを狙う。
撮影ポイント②:サポートをお願いする。
今回は私一人で20~30秒のセルフィーをしていますが、ゲートオブバビロンの発光をサポートしてくれる人がいればぜひお願いしてください。
そうすればカメラマンはレリーズケーブルを押しつつ、ファインダーを見ながら構図に集中できます。
また、レリーズを入れっぱなしにしつつゲートオブバビロンを2台同時に発光させれば、より短時間で撮影できるため失敗しても挽回が出来るのでおススメ。
短時間=シャッターを開く時間が短い=明るめの室内でも再現可能。と良い事づくめ
撮影ポイント③=スタジオ等の照明を落とす
この撮影方法では、長時間シャッターを開けっぱなしにします。
つまり、自然光や環境光の影響を受け続けるため、ゲートオブバビロン係の残像が写ったり完全な白トビをしてしまいます。
かなりF値を絞るため、完全な暗闇である必要はありませんがスタジオで撮影する場合は、窓にはカーテンを引き照明を落として撮影する必要があります。
それでもダメな場合はレンズにNDフィルターを装着するなど、工夫をしてみて下さい。
※ハコスタ東京の黒ホリ(照明落とし)ほど暗くなくても暗めの室内なら大丈夫です。
撮影ポイント④:ストロボは前後を意識して動かす
先ほどの写真を見てもらえば分かりますが、ゲートオブバビロンの大きさが大小さまざまですよね?
これは単純に被写体を基準に前に行けば大きく、後に下がれば小さくなります。
そのため、左右だけでなく前後も意識してゲートオブバビロンを動かすと、画面いっぱいに写し込むことができます。
ゲートオブバビロンは「創れる」
↑どうでしょうか?無加工の写真…、それもたった1回のシャッターでゲートオブバビロンが再現できましたね。
このようにカメラの仕組みを理解すれば、少ない機材とアイディア次第でコスプレ撮影で大活躍するアニメ的なライティング表現が可能です。
最近はPhotoshopでの加工レベルが上がっており、誰でも簡単に加工できる時代ですが「写真」そのものと向き合ってみるのはいかがでしょうか?
ぜひみなさんもゲートオブバビロンに挑戦してみてくださいね!
次回もよろしくお願いします!
※最後までお付き合いありがとうございます!この記事が「いいね!」と思っていただけたら↓のリンクを1クリックしていただくか、お菓子をくれたら喜びます!
にほんブログ村
コメント